訪問ルート最適化の基本：時間を30％短縮する考え方

訪問ルートを上手に組むだけで、1日の仕事がぐっと楽になりますのよ。移動や事務で残業してしまうこと、きっと多いでしょう？ でもね、地図の順番をちょっと変えるだけではなくて、訪問の並べ方や時間のとり方、ちょっとした準備や道具の使い方を工夫すると、1日の時間をおおよそ30％くらい節約できることもあるのです。今日は、そのやり方を優しくご説明いたしますわ。

訪問ルート最適化って

「ルート最適化」とは、ただ距離を短くすることだけを言うのではありませんの。
訪問の順番や、各訪問にかかる時間の見積もり、事務仕事をするタイミング、急な用事が入ったときの余裕の作り方など、1日の流れ全体を上手に回すことを指しますのよ。
良い結果の目安は、次の3つですわ

• 仕事の後に残ってしまう時間（残業）が少なくなること
• 移動にかかる時間が短くなること
• 利用者さん（お客さま）の満足度が落ちないこと、または上がること

まずは現状を知ることから始めましょう

何かを変えるときは、まず今の状況をはっきりさせることが大切ですの。
ですから、まずは1週間、時間の記録をつけてみましょう。書くことはこんな項目ですのよ

• 出発した時間と到着した時間
• その場所にいた時間（訪問時間）
• 移動にかかった時間
• 待ってしまった時間や無駄にした時間
• 遅れた理由や気づいたこと（メモ）

簡単な表にしてまとめると、「どの場所に時間がかかっているか」がはっきり見えてきますの。そこから、何を変えたらいいかが分かりますわ。

覚えておくと良い5つの基本ルール

ここからは、すぐに使える大事な考え方を5つに分けてお伝えしますね。

1．近い場所をまとめること 近くにある利用者さんは同じ日にまとめて訪問する

たとえば、15分以内で行けるところを1グループにして、その日のうちに回ると無駄が減りますの。

※初回の担当者会議で、モニタリング訪問の取り決めをしておきましょう。
訪問の際に、事前に連絡してから訪問するべきか、それとも直接お伺いしてよいかを決めておくと安心ですわ。 有料老人ホームなどに入居されている方については、施設側から「いつでもお越しください」とご案内いただける場合も多いですけれど、お客様ご本人やご家族の都合（いつが良いか）も確認しておくのが望ましいですのよ。モニタリング訪問の方法や連絡の取り方は、事前にお客様と取り決めて把握しておくと安心して訪問できますわ。

2．時間帯に合わせて優先順位をつけること

朝に調子のよい利用者さん、午後にお話に時間がかかる方、夕方にお迎えがある方……時間帯によって訪問に向く方がいらっしゃいますの。時間帯ごとに訪問先を並べ替えると、無駄が減り仕事がぐんと楽になりますわ。

※事前に「毎月、状況の確認や翌月の予定のために月1回ご自宅に伺います。〇〇さんのご都合を教えてくださいませ」といった形で予定をすり合わせておきましょう。あらかじめ訪問の時間帯を相談しておくと、キャンセルや変更が少なくなり、安心して訪問できますのよ。

モニタリング訪問時に、次回の訪問日程を決めることをおすすめします！

3．余裕（バッファ）を残すこと

1日の予定をぎっしり詰め込みすぎないでくださいませ。
予備の時間を少し残しておくと、急なお呼び出しや遅れがあっても全体が崩れにくくなりますのよ。詰め込みすぎると、お客様との面談時間が短くなり、話しづらさや不安を招いてしまいますわ。ゆとりがあるとお客様が安心して相談しやすくなり、信頼関係も深まりますのよ。些細な変化にも気づきやすくなりますから、結果的に効率が良くなるのですわ。

4．同じ地域での作業をまとめること

同じ場所で写真を撮ったり、ちょっとしたメモを取ったりする作業は、その場で簡単に済ませるか、まとめてやるかを決めておくと無駄がなくなりますの。状況に合わせて「その場でやる」か「後でまとめてやる」か選びましょう。

5．便利な道具（ツール）を活用すること

地図アプリやスケジュールのアプリを使うと便利ですわ。
ただし、道具に頼るだけではなく「どう使うか」を決めておくのが肝心ですのよ。

地図アプリは、訪問先の場所確認だけでなく渋滞情報や到着予想時刻を教えてくれる頼もしい道具ですの。
前日に複数の訪問先を地図上に並べて近い場所をグループに分け、当日は最新の交通情報で順序を微調整するとよろしいですわ。訪問ごとに到着予定を設定し、到着直前の連絡を送る習慣をつけるとキャンセルや待ち時間を減らせますのよ。写真やルートのスクリーンショットをその場で保存しておくと記録が楽になりますわ。

スケジュール帳アプリは、時間管理とチーム共有に便利ですの。
訪問ごとに開始時刻・終了時刻・移動時間を入力し、色分けやタグで「初回訪問」「短時間訪問」「突発対応枠」などを分かりやすくしておくと一目で予定が把握できますわ。共有カレンダーにすると上司や同僚と予定が重ならず、急な変更も知らせやすくなりますのよ。
使うルール（例：到着連絡はSMS、記録は帰社後24時間以内に完了）をチームで決めておくと、アプリが真に役立ちますの。

実際にやってみましょう：1日の流れを作る簡単な手順

前日の準備（約30分）

• 翌日の訪問リストを作ります：住所、だいたいの滞在時間、優先度を書いておくのが良いですわ。
• 地図で行く順を見て、近くの場所をグループに分けます。
• 必要な書類や持ち物を用意しておくこともお忘れなく。

当日の朝（約10分）

• 天気や道路の様子、利用者さんからの連絡がないか確認しますの。
• 到着の予定を短い連絡（例：SMSや電話）で伝えておくと、キャンセルや変更が早くわかって助かりますわ。

訪問中（移動中や昼休みの短い時間）

• 移動中に次の訪問のメモをざっと見直すと安心ですの。
• 昼休みに午前中の記録をちょっと整理しておくと、午後の予定調整がラクになりますわ。

退勤前（約15分）

• その日の時間の使い方を振り返り、時間がかかった理由を1つだけ書いてみてくださいませ。
• 翌日の仮の順番を作っておくと、翌朝がとても楽になりますのよ。

短くまとまったチェックリスト（すぐできる版）

• 1週間、時間の記録をつけること
• 前日30分で翌日の訪問順を決めること
• 当日朝に短い連絡をしておくこと
• 移動中に次の準備をすること
• 退勤前に今日の改善点を1つ書くこと

場面別の小さな工夫

新しいお客さま（初回訪問）が多い週

• 初回はお話をたくさん聞かないといけないから、その日は訪問の件数を少なくすると良いですわ。
  午前に初回を集めると午後が調整しやすくなりますの。

急なお呼び出しがよくある日

• 夕方に少し余裕を持たせておくと、急な用事が入っても安心ですの。チームがあるなら、突発対応を交代で担当する方法もおすすめですわ。

お子さまがいる方へ（子育て中のケアマネさん）

• 保育園や学校の送り迎え時間に合わせて勤務時間を決めると、家庭との両立がしやすくなりますの。訪問はお子さまがいる時間帯を避けてまとめて組むと良いですよ。

ありがちな失敗とその直し方

距離だけを短くしようとして失敗すること

• 一番短い道を選んだら、渋滞で時間がかかってしまった、ということがありますの。道の混み具合も見て決めるのが賢いですわ。

同じ並び方をずっと続けて変化に弱くなること

• 決まったやり方をずっと続けると、急な用事に弱くなりますの。時々見直して柔軟に変えてくださいませ。

道具を入れただけで満足してしまうこと

• アプリや道具を入れても、使い方のルールがなければ混乱しますの。必ず「どう使うか」を決めてから始めてくださいませ。

効果の確かめかた

• 1日に移動に使った合計時間（分）
• 1回の訪問にかかる平均時間（滞在＋移動）
• 月にどれだけ残業しているか（時間）
• キャンセルや遅刻の回数

小さなことを毎週試して、月ごとに見直すと効果が分かりやすいですわ。3ヶ月続ければ、きっと変化が出てきますのよ。

便利な道具（ざっくり説明）

• 地図アプリ（例：Google Maps）…行く場所を確認したり、渋滞情報を見たりできますの。
• ルートまとめアプリ（例：RouteXL）…たくさんの場所を一度に並べて、順番を考える助けになります（ただし、現場の事情で微調整が必要ですの）。
• スケジュールアプリ（例：Googleカレンダー）…自分やチームの予定を共有できますの。
• 音声入力アプリ…移動中にメモを音声で残しておけますけれど、間違いがないか後でチェックしてくださいませ。

ある方は、前日の準備と訪問のグループ分けを始めただけで、1日の移動時間が240分 → 160分になり、残業も大きく減ったそうですわ。ちょっとした工夫で、こんなに違うのですのよ。

最後に今日からできる3つのこと

以上、何かひとつでもあなたの参考になれば嬉しいですわ。